どのように人は覚える?

2018-08-11

どのように人は覚える?

記憶には、記憶できる時間の長さで3種類(感覚記憶、短期記憶、長期記憶)に分類でき、言葉で表現できる記憶と言葉で表現出来ない記憶があると説明しました。

では、どのように記憶した情報は短期記憶から長期記憶にシフトするのでしょうか?

それは、「繰り返し」です。

情報を「繰り返す」ことで、脳が大事なことなんだと思い込み、情報を記憶します。

海馬
図にある海馬(かいば)とは、脳の中、大脳皮質の内側にある器官で、新しい情報を一時的に記憶を蓄えておく機能を持っています。

海馬では覚えたことを整理し、取捨選択しています。

人間は、情報を整理して記憶する

人間は情報をバラバラに覚えてはいません。

情報を、記憶として整理し、記憶同士を互いに結びつけ、まとめるようなイメージで記憶しています。これを体制化などと呼びます。

下に意味記憶のモデルのイメージを示します。正確ではありませんが、記憶のイメージをつかんでください。

記憶のイメージ

記憶のイメージ

このことから暗記するときは情報をまとめ、また他の知識と結びつけるよう意識する暗記が、効率の良い暗記の仕方と言えます。

脳が「大切だ」と思うと記憶する

また「繰り返し」によって人は記憶すると説明しましたが、大切な情報などは少ない回数で記憶するときがあります。

感情をともなった出来事などがそうです

感情をともなった情報は、例えば危ない目に会い恐怖の体験をすると、今度同じような場面を避ける必要があるため、重要な情報です。

恐怖の体験などは生命の安全を守る点から、動物にとって重要な情報だと納得できるのではないでしょうか。

恐怖の感情などは海馬の近くの扁桃体(へんとうたい)という器官の働きが影響しており覚え易くなります。楽しい感情なども同様に扁桃体の働きがあるため、恐怖以外にも喜怒哀楽といった感情が伴うと、覚え易くなります。

側坐核
興味があるもの、好きなものを早く覚える理由は、扁桃体(へんとうたい)が働き脳が大切だと思うためです。

また「繰り返す」ことも、脳が毎日こんなに使うのだから生きるのに大切だと勘違いして、記憶するのです。

受験勉強、資格勉強、全ての範囲で興味を持つのは難しいですが、どうして覚え易い、覚えにくい場合があるのかを、なんとなく感じてもらえたでしょうか。